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ホーム 物語編1 チェンジアップサーブとは? 集中力を切らさない方法とは?/物語1第9話

チェンジアップサーブとは? 集中力を切らさない方法とは?/物語1第9話

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「相手に対してだけ有効な戦術ではなくて、
 自分にとっても有効な戦術なんだってことね。」

「その通り。それから、・・・」

「ご注文はお決まりですか?」
話に割って入ったのはウェイトレスだった。

話に夢中になっていて注文するのを忘れていたのだ。
3人ともあわててメニューを手に取って、
苦笑いを浮かべながらそれぞれ注文した。


ボクは水をひと飲みした。
「え〜っと。どこまで話したっけ。」

ユミが答える。
「『普通1番だろ』戦術が、
 相手に対してだけ有効な戦術ではなく、
 自分にとっても有効な戦術なんだってところまで。」
 
「あ〜そうそう。
 え〜っと、それから、アキラには、
 ゲームの最初のポイントだけでなく、
 プレッシャーのかかったポイントでも、
 必ずファーストサービスでセカンドサーブを打つように指示したんだ。
 アキラはプレッシャーがかかると、たいていはダブルからね。
 ダブって相手にただでポイントをあげるのと、
 ヒョロヒョロサーブでもファーストから入るのでは、
 天と地の差があるんだよ。」

「まあね。そういわれてみると確かにね。」

「現にアキラは今回1度もダブらなかった。
 それに、この戦術は、
 ファーストサービスでセカンドサーブを打っちゃうから、
 チェンジアップにもなる。」

「チェンジアップって何?」

「チェンジアップというのは、野球の投球法の1つなんだけど、
 球速や球質に変化をつけて、
 打者のタイミングをはずす投げ方なんだ。
 特に、速い球のあとに、
 同じ投球フォームで投げるゆるい球のことを言うんだ。
 またの名を、チェンジオブペース。」

「へ〜そんなことするんだ、野球のピッチャーって。」

「そう。それから、野球のピッチャーがよく、
 簡単に2ストライクとったあと、
 次の球をわざと外してボールにすることがあるんだ。
 2球外して2ストライク2ボールにしたり。」

「ふ〜ん。何で?」

「2球続けてストライクだと、
 バッターの目がストライクボールに慣れてしまっているんだ。
 だから3球目に同じようにストライクを投げてしまうと、
 打たれてしまう確率が高くなるからなんだと思う。」

「なるほど。3球続けてストライクじゃ単調だもんね。
 でも、3球目が球種が違えば単調じゃないんじゃない。
 例えば、ストレート、ストレートときて、カーブってのはどう?」

「確かにその場合単調ではなくなるけど、
 それには別の問題点があるんだ。
 それはね、
 3球続けてストライクを投げて3振をとるということは、
 かなりの集中力が必要で、しかも、
 人間ってのは普通はそんなに集中力は続かないということなんだ。
 だから、ボール球を2球続けたりして、
 一旦気持ちを弛緩させておいてから、
 改めて気持ちを緊張させて集中させる。
 つまり、落ちかけた集中力を、
 逆にわざと一旦底まで無理矢理落としておいて、
 改めて一気にてっぺんまで上げれば、
 しっかり集中できるということなんだ。」

「なるほどね。
 でも、それとテニスのサーブとどう関係あるの?」

「それはね、テニスでいえば、まず、
 強いファーストサーブを常に入れ続ける集中力っていうのは、
 人間は普通はそんなに続かないということなんだ。
 だから、時々、入れるだけのセカンドサーブを1球目から打つことで、
 落ちかけた集中力をわざと落としておいて、
 次に強いファーストサーブを打つ時に、
 一気に集中力を高めることもできるということなんだ。」

「野球のピッチャーとテニスのサーバーって、似た所があるのね。」

「そう、そして、ボクがアキラに授けた2番目の戦術、
 『バックオーライ』戦術なんだけど、これもサーブの戦術なんだ。」

「そうなんだ。それってどんな戦術?」

「それはね、・・・」


                              (つづく)

 
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